栄養素 糖質
2016.08.22
ごく一般に「糖質」は、炭水化物と同じであると思われがちですが、これは正確ではありません。
「糖質」とは炭水化物から食物繊維を除いたものを指しており、タンパク質、脂質に並ぶ三大栄養素の1つで、体内でエネルギーに変わる時間がどの栄養素よりも早いのが特徴です。
砂糖、ハチミツ、チョコレートなど糖だから甘いものだけが全て「糖質」と思われがちですが、いも類、果物類(バナナ、ぶとうなど)などに加え、穀類(ごはん、パン、うどん、そば)など甘くない感じないデンプン類にも糖質は含まれています。
「糖質」は1gあたり4キロカロリーのエネルギーを出して、疲れた体を回復させる効果や脳へ与える栄養素としても重要で、「糖質」をビタミンB1(※)と一緒にとるとエネルギーに変わるのを助ける性質があります。
摂取した「糖質」はブドウ糖に変わり肝臓に入って、一部はグリコーゲンに変化して蓄えられます。グリコーゲンはブドウ糖がいくつもつながったもので、体のエネルギー源となる
物質です。
ごく一般的に成人では、1日約100gの「糖質」が最低限必要であると考えられており、デスクワーク中心の職業であれば、1日約260gが適正の目安とされています。
「糖質」が不足してしまうと、1日中休み無く働いている脳の回転は鈍り、思考力や体を動かす活力そのものが衰えてしまいます。体内に入ると素早くエネルギー化するため、お腹が減っている時や疲れている時に「糖質」をとる事は、極めて有効です。
しかし逆に、「糖質」をとり過ぎてしまうと、体内で余った「糖質」は脂肪に変わり太ってしまいます。甘いお菓子を控えても、ごはん、パンなどを食べ過ぎれば、「糖質」の過剰摂取となり、脂肪として貯えてしまうでしょう。
最近よく耳にする「糖質制限ダイエット」「炭水化物抜きダイエット」なども、日頃より
「糖質」を過剰に摂取している方には有効ですが、「糖質」は三大栄養素の一つで重要な役割を果たしていますので、極端な「糖質制限」は体を動かすエネルギーそのものを奪ってしまうことになるため、おすすめできません。
※ビタミンB1が多く含まれる食品には、豚肉、うなぎ、大豆(製品)、ごまなどがあります。